フッ素の話 投稿日:2019年7月1日 カテゴリ:新津田沼歯科ブログ こんにちは、歯科衛生士の松原です。 4月から6年生になった我が家の息子ですが、学校で【フッ素洗口のお知らせ】が配布されました。 去年から息子の通う小学校では、フッ素の集団洗口が行われるようになりましたが、2年生のみの実施でした。 学校として1年間運用した結果、今年度は全学年が対象となったようです。 任意とのことでしたが、担任の先生も含めクラス全員で月曜日の給食後にぶくぶくやっているそうです。 ちゃんとできてるのかな?一度、どんな感じか見てみたいものです(^-^) さて、クラスの全員がフッ素洗口を希望しているということは、虫歯予防にフッ素が良いというのは、かなり定着しているのかな?と思われます。 今回は、そんなフッ素についての話です。 お口の中では、むし歯菌の出す酸によって歯質は溶けたり、唾液の働きによって修復されたりしながら、常にバランスを保っています。 ところが、このバランスが崩れた時に虫歯となってしまうのです。 しかし、そんな歯の修復を助けるのがフッ素です! フッ素には、初期虫歯の再石灰化、歯質を強化して、酸で溶けにくい強い歯にする働き、細菌の活動を抑えて口の中で酸がつくられにくくなる働きがあります。 さて、そんなフッ素ですが、そもそもは自然界に存在するミネラル成分です。 私たちが日常摂取している飲食物にも、濃度はいろいろですが、フッ素が含まれています。 フッ化物濃度が比較的高い飲食物の例としては,緑茶,紅茶,ウーロン茶(約0.5~1.0 ppm)、海草(2.3~14.3 ppm)、小骨ごと食べる魚(8~19.2 ppm)などがあります。 このように普段の食事から自然に摂取されているフッ素ですが、虫歯予防に十分なフッ素を食事から得ることは出来ません。 そこで、いろいろな方法で虫歯予防にフッ素が活用されています。 虫歯予防として行われているフッ素の応用方法には、プロフェッショナルケアとホームケアがあります。 プロフェッショナルケアは歯科医院でのフッ素塗布、ホームケアはフッ素配合歯磨剤の使用やフッ素洗口となります。 ・歯科医院でのフッ素塗布 定期的に歯科医院で濃度の高いフッ素を歯面塗布します。 綿球や歯ブラシで歯に直接薬を塗布する方法と、歯にトレーをかませる方法があります。 歯科医院のフッ化物歯面塗布剤は9000ppmあり、効果が持続します。 塗布後はうがいはせず、唾液をペッと吐き出す程度にとどめます。 塗布後1時間の飲食を控えてもらっています。 継続して定期的に受けると、より効果が高くなります。 ・フッ素配合歯磨剤 フッ素入りの歯磨剤には沢山の種類がありますが、フッ素は濃度が高ければ高いほど効果が高いため、歯磨き粉を選ぶときは濃度を確認してみてください。 濃度の目安は5歳くらいまでは500ppm、6才から20才までは1000ppmを推奨しています。 歯磨剤は歯医者で塗布するフッ素に比べると濃度は低いですが、低濃度でも毎日使用することで効果を発揮できます。 ・フッ素洗口剤による洗口 毎日法(450ppm)と週一回法(900ppm)があり、学校では週1回法が行われています。 フッ素洗口剤もフッ素配合歯磨剤と同じく濃度を低く抑えていまずが、続けて行うことで効果は発揮されます。 食後の歯みがき後、30秒ほどうがいをします。 とくに就寝前の歯みがき後にすると有効濃度が口のなかに残りやすく効果的です。 フッ素はプロフェッショナルケアとホームケアを併用しても、過剰摂取になることはなく、虫歯予防のより高い効果が得られます。 特に生えて間もない歯はよりフッ素を多く取り込む事ができるため、子供の頃にフッ素を上手に取り入れる事で、将来虫歯になりにくい歯にできます さらに、歯が生えて3年間は特に虫歯になりやすいため、この時期にフッ素を塗布することは虫歯を予防するうえでとても効果的です 虫歯のない強い歯は、一生の宝物になりますよ。 フッ素塗布、フッ素配合歯磨剤や洗口剤の販売も行っています。 お気軽にご相談下さい(^-^) ■ 他の記事を読む■ « ✿ドライマウス(口腔乾燥)について✿ 『口内炎と口腔がん』 »